暗闇からの泣声

風呂上がり、娘はおっぱいをもらうとコトンと寝た。
最近、寝付きが早い。
奥さんも風邪ぎみで体調が良くないので、追うように
布団に入る。
最後に僕が風呂に行き、出てきた頃はみんな夢の中。


しばらくすると娘の泣き声。弱々しい。寝ながらか?
カタンコトン音が。ベッドの柵の音だ。起き上がった
のだろうか。


いつもなら寝かしつけ担当の奥さんの出番だが、
具合の悪い今日はどうだろう?


ふすまを開けてみた。娘はベッドの上にちょこんと
座り、開かない目で僕を見て、弱々しく泣いている。


その隣りの下の布団で奥さんは起きれずに寝ている。
やはり僕の出番だったようだ。


娘は後頭部に汗をかいている。暑かったのか。
首もとなどは良さそう。着替えるまでではない。
ガーゼで頭の後ろを拭いてやると、座っていた娘は
パタンとそのまま倒れ、寝る体制。目は開いていない。


甘えもあったのか、安心したという感じだ。
寝ながら手を動かし、僕のパジャマのそで口を探し、
そでの中に手を入れたりして寝ようとしている。

人のそで口や胸ポケット、ボタンホールなどに指を
入れると落ち着くらしく、特に眠いときにやられる。
全然眠いらしい。


結局そのまま寝てしまった。軽い甘えだったようだ。
僕が近くに行っただけで泣きやんだし。いい子だ。