目で訴える

娘はとうとう、おもちゃ屋というものが分かってきた
ようだ。歩いてトイザらスの前を通り過ぎようと
すると、「あぁぁぁ!」指をさしている。
どうやら無視できないような雰囲気である。


下に降ろして歩かせてみる。トコトコトコ。自分で
入って行くではないか。期待に満ちたまなざしで。


いきなり縫いぐるみのコーナーに食らい付いている。
気に入ったものは手に取ってギューッと抱き締めて
どこかへ歩いて行く。次のお気に入りを見つける
まで離さない。


以前なら「行こっか」と声を掛けて立ち去ろうと
しともすんなり。縫いぐるみ達にバイバイと手を
振るほどだったが、声を掛けると逃げて行く。


無理やり連れて行こうとすると、下に降ろせと全身で
主張する。ある程度気がすまないと納得しないようで
あるのだが、その納得までの時間が延びつつある。
夏時間に入ったのだろうか。


他の子どもが遊んでいるものも気になるようだ。
明らかに無理だろう、フラフープは。
男の子が遊んでいたおもちゃは、横から手を出しつつ
ジッと目で訴えて取り上げてしまった。


強い子になると思います。この子は。
けど、強引に奪うわけでは無く、目で訴えつつ
相手が退かなければいけないような雰囲気を作る
あたり女の子ですね。かないません。


ころ合いを見計らって捕獲を試みる。どうやら少し
満足はしたようだ。自分でトコトコと出口に向かって
いって、そのまま外へ。何事もなかったように。


重ね重ね、かないません。