大笑いの試練

「ぱぱ わらって」
背後のチャイルドシートからの要求。ドライブに
飽きたのだろうか。


可愛い要求ではあるが運転中だ。勘弁願いたいが

笑うまで要求される。こんなときの娘はしつこい。
「はははははははは!」
無理に笑ってみる。


「あははははは。 まま も」
最後の「ままも」は意外に冷静である。逆らえない口調。
ママも強制的に巻き込まれてしまった。


「ぱぱ わらって!」


少なくても20回は繰り返す。喉カラカラです。
しばらく大声で笑い声が響く車内。ちょっと異様な
雰囲気。そんなに面白いだろうか。正直、疲れます。


泣き叫ぶ声が響き渡るよりは良いとは思うのだが、
思いっきり笑うのも大変だ。だんだん暑くなってきた。
運転中でも容赦ないですね。運転に集中したいんですが。


笑い疲れてヘトヘト。あれ、ふと娘も静かになった。
交差点で止まった時に後ろを振り向いてみると、
何ごとも無かったかのように、すまし顔で日が沈んだ
外の景色をたそがれて眺めていた。おーい、何だそれ。
疲れてんじゃん自分も。
いったい何だったのでしょうか。