はじめの1歩

気付くと娘は両手を放して立っていることがある。
それどころか、リズムよく膝を使ってぴょんぴょん
跳ねている。


両手で何かを持っている時などが多く、持っている
ものに夢中の時によく見掛ける。


見ているこちらの方がビクビクだ。ふらっと倒れる
のではないかと。なんせ本人は手に持っているものに
夢中で手放しで立っているこてに気付いていない
ようだから余計に見ている方は怖い。


そして、実際にふらっとして倒れることがある。
とはいえ危ない倒れ方はしないようになってきた。
ちゃんと尻もちだ。下手するとそこからスクワット
立ち上がるまでになった。


これは、僕なんかが体を支えて持っている時だが、
何かを見つけ、振りほどくように向かって行き、
2、3歩ほど前に進んで倒れることがある。
これまた怖いのだ。なんせ興味を持ったものしか
見えておらず、明らかにバランスの取れていない
前傾姿勢で足を踏み出すからだ 。


これは歩き始めでもあるようだが、どうも歩いた
という感じではない。


つかまり立ちから一瞬両手を放して、向きを変えて
違う物につかまっていく。この時に少し足が動いて
いるような感じもあるが、まだ歩いたとは言いにくい。


しかし、昨日、椅子につかまり立ちしている娘に、
少しだけ離れたところから、両手を出して「おいで」
と言ってみると、一瞬の迷いが見えたが、意を決して
ずりずりと足を引き摺るように、こちらを真っ直ぐ
見据えて向かってきた。


ずりずりずりずりと4歩くらいだろうか。本当は
1歩分くらいだが。
しかし、移動しようと思ってちゃんと来たから
びっくりした。


それだけでは何とも言えないが、今日もずりずりと
移動をしていたらしい。奥さんのウェブ日記
よると。


いよいよ歩いたと言えるのか?


しかし、イメージでは、はじめの1歩はもっと
分かりやすいものかと思っていたが、どうやら
そうでもなく、はじめの1歩の認定が難しい。


もう出来てるとも言えるし、もっと気持ちのいい
1歩があるような気がして認定しようか、判断に
困ってしまう。