先が思いやられる

久々に娘が出社前に起きてくれた。丸々2日間も
寝ている姿しか見ていないので感動ものだ。娘も
僕の顔を見てニコリと笑ってくれる。


嬉しさのあまり色々と話しかける。しかし娘の興味は
すでに次へ。これ、とか言いながら家の鍵のほうを
指差している。話しかけても反応がない。


そんなもんだろうか。父親なんてものの存在は。
奥さんは娘も嬉しそうだと言ってくれるが、気休め
のように聞こえてしまう。こっちの想いとは裏腹に
娘の反応はいまいち軽い。


だからこそ、娘が構ってくれると大袈裟に嬉しい。
時間がなくてバタバタしているにもかかわらず、
渡されたパペットも手にはめずにはいられない。


手にはめ、パペットの口を動かしながら話しかける。
娘は聞いていない。そして見ていない。パペットを
渡すだけ渡して放ったらかしだ。テレビを観てる。
なんてこった、振り回されてる。先が思いやられる。


けど、一番先が思いやられると思っていたのは、
そんな様子を見ていた奥さんなのかもしれない。