寒空の洗車

トヨタ自動車のお膝元でもある名古屋の人は車好きが
多いらしい。車にかけるお金なんかも多いらしいのだが、
僕は純粋な名古屋人ではないからか、そうでもない。
車は移動するための道具で、それ以上でもそれ以下でも
ないといった感じだ。


だからか、ついつい車の扱いがぞんざいになってしまう。
洗車なんてもんも面倒な作業でしかない。名古屋では、
毎週末に朝っぱらから洗車に行く人も居ると聞く。
驚きだ。別の人種としか思えない。


ましてや、こんな寒いさなかに洗車なんて考えたくも
ないのだが、今まで7年近く乗ったこの車とじきに
お別れなのだ。7年も乗るとさすがに僕でも寂しい
ものはある。


最後に感謝の気持ちも込めつつ洗うことにした。
奥さんの説得もあり、ガソリンスタンドではなくて
洗車場へ行って手洗いすることに。


感謝の気持ちはもちろんあるが、気が重いのも確か。
寒いだろうなぁ。水は冷たいかなぁ。


幸い、今日の天気はまだ穏やかだった。寒くて死にそう
にはならなくて済んだ。しかし、さすが名古屋である、
洗車場を2ヵ所くらいみたが、どちらも満員に近い。
こんな寒いさなかに車を洗う人はたくさん居たのだ。


しばらく洗車をサボっていただけあって汚れている。
汚れの目立たない色だが、やっぱりよく見ると汚い。
みるみる汚れが落ちて、車が違う色になっていく。
だんだんと面白くなってくる。意外に楽しい。
水は冷たいが、悪くない。


娘には車の中で待っていてもらい水を吹き掛けたり
タオルで拭いていたりしたが、娘も中から見ていて
それなりに面白かったようだ。


車外から見ていると車の中を自由に動き回っていて
少し恐いものもあったが、何回かクラクションを
鳴らされて、恥ずかしい思いをするだけで済んだ。
退屈で泣き叫ばれたらどうしようかと思っていたが
全然おりこうに待っていてくれて助かった。


いやいや、しかし、こんな色だったんだな、この車。
いい色じゃないですか。ありがとう。今まで。
新しい車が来たらちゃんと定期的に洗ってあげよう。