「スーパートイズ」と「A.I.」

地下鉄の構内にある本屋に寄った。
読みかけの小説「指輪物語」の続刊を買うためだ。


小さな本屋なので店内は狭い。
話題作とはいえ置いてないからといって
責められないだろう。



仕方がないとは思いつつ、店内をぶらぶらと歩き廻って
目に止まったのは「スーパートイズ」という文庫だった。


間もなくDVDが発売される、映画「A.I.」の原作だ。



映画を劇場に観に行った頃に、この本のハードカバーを
よく見かけて気になっていたが、その文庫版だ。


初めて手に取って、中身をパラパラとめくって驚いた。
映画「A.I.」が超大作だったので、原作もさぞや負けじと、
長編小説に違いないと思っていたが、映画の原作となる
「スーパートイズ」を含む短編集だった。


「スーパートイズ」は3部作で、映画の元となった1部目
“いつまでもつづく夏”は20頁ほどの作品だった。



僕は短編集は好きだ。
早く読み終わるから。ただそれだけだが。


今呼んでいる「指輪物語」が超超大作なので、息抜きに
短編を読むのも悪くない。
20頁の作品がどうなって超大作映画になったのかも
気になる。


すると、作者ブライアン・オールディスがキューブリック
映画化を説得され、一緒に脚本を取りかかり、意見が合わず
脚本から降ろされる経緯も書かれている。


「A.I.」に少し消化不良の違和感を感じた自分としては、
大いに興味を憶え、購入。読んでみた。




「スーパートイズ」と「A.I.」
どちらが好みかは、人それぞれだろうが、
僕はブライアン・オールディスに共感を感じ
「スーパートイズ」の虚無感は、シンプルに響いた。



ただ、その他に収録された短編は「スーパートイズ」ほど
心は動かされていない。
半分程を読んだ、今の段階では。



指輪物語」の続きが物凄く読みたくなった。