洗濯機の中から(1)


昨日の夜は、体調が悪いのか怒っているのか、
帰ると奥さんは寝ていた。
作っておいてくれた晩御飯をひっそりと戴き、
僕もすぐに寝ることにした。


だから昨日の夜は奥さんと話をしていない。
プリンも食べていない。


今朝、久しぶりに奥さんと話した。


「昨日洗濯をしたら洗濯機からショックなものを見つけた」
おもむろに彼女は言い
「洗濯なんてするんじゃなかった」
とまで言い、目を背けた。


一瞬、僕に非があるのかと思った。
昨日の帰りが遅かったことで文句を聞いた
後だったからかもしれない。


しかし、いくら考えても思い当る節はない。


また些細なものを浮気の証拠に仕立て上げて
妄想の中の“旦那の浮気”ストーリーと僕を重ね合わせ
僕に罪を着せようとしているのかと危ぶみ、気が重くなる。


冤罪を証明するエネルギーを奮い起こさなければいけない。
朝で時間も限られているというのにだ。


そんな余計なことを考えつつ、
なかなか“証拠品”を話そうとしない彼女から
聞き出そうとすると、あまりにも意外な答えが帰ってきた。



続きは明日……。