ボール遊び


ボール、と言っても娘が片手で持てるほどの大きさなので
さほど大きくはなく、真ん丸ではないので、ある程度
転がると止まってくれる。


このボールを投げては追い掛けて、屈んで拾ってはまた
エイッと投げて追い掛ける。こんな遊びが娘と流行っている。


疲れて少し眠くて、機嫌があまりよろしくない娘。
寝室に敷いてある布団の上に一人で横になって
ムスーッとボーッとしている。


ソファーの陰から黄色のボールが転がってくる。
一瞬、間をおいて、ドタバタと四つん這いでボールを
追い掛けたパパが現れる。ボールに追いついたパパは
持ち上げたボールを確かめるとクルッと振り変えって
いま来た方向へボールを投げちゃう。


ボールの行方を確認したパパは一目散にドタバタと、
少し大袈裟なくらいドタバタと四つん這いになって
ボールを追い掛けてソファーの陰に消えて行く。


ポーンとボールが陰から転がってくる。ドタバタと
パパが現れてボールを掴んでまた消えて行く。


ムクリと起きた娘の顔はニコニコ。思わず笑い声も
こぼれてしまう。
次に現れたボールをパパよりも先に掴んでポーンと
投げて追い掛ける。


パパと違って四つん這いにならずに歩いて追い掛けて
屈んで取ってはポーンと投げる。上手に狙った方向に
投げれるようになった。追いつくのも早くなった。


いつの間にか娘がボールを追い掛け回して、パパが
笑って眺めている。