存在を確認


隣の部屋などから僕や人を呼ぶ時、
娘は大きな声ではっきりと叫ぶ。
「アイ」「アイ」


僕や奥さんが呼ばれたら「ハイ」と
言ってやってくるからだろうか。
飛んでくるときの合図だと。


しかし、「アイ」で呼ばれるのも
なかなか違和感があって面白い。


2日ほど帰りが遅かったので、今日は
久々に娘が寝る前に帰って来れた。
もちろん僕は嬉しいわけだが、娘も
嬉しいのだろうか、寝る時になっても
なかなか寝ず、はしゃいでいる。


それでも電気を消して、隣の寝室で
奥さんが寝かしつけを試みる。ふいに
「パパー アイ アイ」娘の声だ。
なかなか笑える。


顔を出してみると嬉しそう。寝るまで
いるかな、なんて思うと今度は娘から
「バイバーイ」なんて言われる。


何だよ、と部屋を出ていく。刺激を
与えて本当に寝れなくなっても困るし。
とはいえ、十分にいつもよりも寝付きは
悪く、遊びだしたりしている。


「パパー アイ アイ」また呼ばれる。
覗いてみると眠そうな顔をしつつ、
呼んでみたといった感じだ。


結局、苦労しつつ奥さんが寝かしつけて
くれた。まるで、僕が居ることを確認
するような感じでもあった。2日間では
あるが寂しいところはあったのかな。


やはり嬉しく思ってくれたのだろうか、
娘も。だとしたら僕も嬉しいが。