バチ職人

太鼓の達人にハマっていた息子。

以前に知り合いからバチを買っていた。手作りのバチを。何回か。けして安くはない。ただでさえゲームセンターで散財してるくせに。

どうも奥さんは押し切られると負けて連れて行くらしい。何やってんだか。

「どうせならバチを作って売る人になれよ。ゲーム代を稼げよ。」

半ば嫌味で言ったんだが意外と乗り気。怪我しないか心配する奥さんをよそにカンナを一緒に買いに行った。

今日、ひさびさにカンナが出ていた。

相変わらず上手いな。丁寧にヤスリで磨かれて光沢のある作り立てのバチがテーブルの上にある。ほんとに売る人になったんだよね。

ただ、材料費がまあまあかかるので、ぜんぜん利益がない。足しにはなっていない。廊下でバチを作ってて邪魔なだけ。まあけど買うだけの人よりはいいか。