小雨の中での引越し

引越し当日。


業者の到着が予定より遅くて、夕方5時から
雨がパラつく中での作業開始。


よくこんなに狭い家から次々と出てくるものだと
不審に思われていないかと心配しながらも作業は進む。


ベッドの下から、物入れから、押し入れから、
目に見えるところでも所狭しとひしめき合っていた
ようだ。


下手に素人が手を出しても邪魔をするだけだと思い、
家の中をウロウロとしながら
花粉症マスクで顔を隠して静観を決めていた。


作業員は二人、そのうち一人はバイトのようで、
しかも経験が浅いとみた。
しかし、遅々としながらも丁寧にやってくれ、
部屋のあちこちから溢れる物たちを
トラックの限界まで載せてくれ、
目と鼻の先の新居へ移動だ。





結局トラック1台に載らず仕舞いで、
後から自分で運ばなくてはいけないが、
仕方がない。
4連休のどれかで運び込もう。



外ではすっかり宵の準備は出来ていて、
新居に到着したのは8時頃になっていた。
あたりはすっかり暗くなっていたので
一気に作業の後半戦に突入だ。



あんなに物が沢山に見えていたのに、
新居では余裕で吸い込まれていく。
どんどんと運び込まれてきても
気楽に余裕の気持ちで迎え入れられる。


旧居もはじめに越してきた時は
狭いとは感じなかったのだが、
新居を見た肥えた目で、物がなくなった旧居を見ると
本当に狭く感じる。


うちのウサギは、このウサギ小屋みたいな家の中で
さらにウサギのケージに入れられている訳だから
かわいそうなものだ。


早く終わりたいんで、さっきまでは遠慮をしていた素人も
手を出して、軽いものをトラックから運んでいた。
するとなんと同じ引越し会社のトラックが
どこからともなく2台も現れ、作業員が倍増。
引越しの見積りに来た営業の人も
作業服を着てやってきたようだ。


そこからは作業は一気にスピードアップ。
増強した二人は、荷物の運び様をみても
かなりのベテランのようだ。
素人の手を出す隙もなく、アッというまに終わった。


ヘルプが来るくらいだ、かなり遅いほうなんだろう。
終了して一息つく頃には10時を回っていた。




取り合えず大方は運べた。
後は細々したものと、贈テ除とゴミの始末だ。




疲れきって寝る頃には夜中の3時になっていた。
しかし、まだ新居の匂いがするキレイな部屋での初就寝。
ゆっけりと深く落ちていった……。