はじめての沐浴

はじめての沐浴。つまりお風呂だ。
みうちゃんは初めてじゃないんだが、
昨日までは病院で入れてもらって
いたので、親が初めてなのだ。


奥さんは入院中に一度だけ、沐浴の
指導を受けている。
僕は初めて、本でしか知らない。


ただ、やりかたはいろいろあるようで
沐浴布というのを沐浴中に赤ちゃんを
怖がらせない為にお腹に掛けておく
ものだと思ったが、病院では危険な事
もあるので止めた方がいいと聞いた
そうだ。


それと、耳を手で折り畳むものだと
思っていたが、それも止めた方がいい
らしい。


僕の読み聞きした知識とは違っている。
これは仕方がない。最初は奥さんに
任せて、今日は見学とサポートに
徹することにした。


ただただ不安なのは、その奥さんが
受けた沐浴指導中に、みうちゃんは
大泣きに泣いて大変だったそうだ。


もしかしたらお風呂は嫌いなのかも。


しかし、沐浴ってのは最初は恐い。
最初に首の座らない赤ちゃんを抱く
のも恐いが、沐浴は更に恐い。
なんせ下手しお湯の中に落としたら
大変だ。


少しくらいなら大丈夫らしいけどね。


大泣きされたらどうしようと思い
ながら、いざ沐浴へ。
泣かないように奥さんと二人、必死で
話しかけながら、お湯に入れ、洗って
いく。


お湯に体を入れた途端から体に力を
入れ、力一杯暴れる。
足をピンと伸ばしたり、くねくねと
体をよじって逃げようとしたり。


しかし不思議なことに泣かない。
渋い顔はしながらも耐えている。
ちょっと馴れてきているのかな。


結局、暴れはしたが、泣くことなく
大人しく沐浴を終了。
泣叫ぶのを覚悟していたので驚きだ。
良かった。これなら沐浴の時間も
苦痛ではなくなりそうだ。


沐浴の後、服を着替えて横になると
気持ち良さそうに寝だした。
もしかして、沐浴は気持ち良かった
のではないだろうか。


初沐浴は大成功だ。