パパ疑惑


今日はクリスマス・イヴ。
毎年の恒例で、奥さんの実家に伺う。
今年は去年よりもメンバーが多い。
小さいながらも主役。


昨年はそんなイヴの集まりで新たな
試みとして、小学校以来の懐かしい
プレゼント交換なるものを行った。


みんな、大の大人ではあるが、一人
1500円まででプレゼントを買って
きて、くじ引きで誰がもらうかを
決めるというやつだ。


そんな試みも、何の打ち合わせも
無く、昨年1回で終了。今年は
その全てがみうちゃんに集中した
わけだ。


みうちゃんのみがプレゼントを
一手に引き受けていた。


本人はどれほど分かっているか
分からないが、とにかくみんなから
羨ましがられていた事は間違いない。


すでに世代は変わっていったという
感じです。
もう、みうちゃんの時代です。
老兵は去るのみ。あとは任せた。


ところで、昨日「パパ」を理解した
と思っていたが、疑惑が持ち上がって
いる。僕の中で。


散々に食べて遊んでクリスマス会から
引き上げたが、いつもよりかなり遅い
時間になってしまい、みうちゃんは
疲れて、眠くてグズグズ。
奥さんに甘えてべったり。


奥さんがお風呂の準備などで離れると
悲しそうにグズって呼ぶではないか、
「ぱぁぱぁ」と。


奥さんの実家でも、誰かを呼ぶ時に
「ぱぁぱぁ」を連呼していたという
証言もある。


「パパ=僕」ではなく、「パパ=来て」
なのではないか。疑わしい限り。


目の前で離れていく奥さんを悲しげな
目で追いかけて「ぱぁぱぁ」と呼ぶ姿、
隣にいる僕は眼中にない。
奥さんが消えた方向をじっと見ている。
涙を浮かばせながら。


おいおいおい。「あれは、ママ」と
教えると、不思議そうな顔で僕を見て、
小さく「まま」とつぶやき、また涙を
浮かべ、「ぱぁぱぁ」と泣き出す。


疑惑が確信へと・・・。