理不尽モード


奥さんの古い友人が結婚する。二次会だけではあるが
出席するということで、夜は娘とお留守番である。


懐かしい友人と会えるということでウキウキの奥さん。
いつもと違う雰囲気にオシャレをしたママを見て
娘もなぜか嬉しそう。やっぱり女の子なのだろうか。
「キレー」とそんなママを気にいったようだ。


玄関がバタバタしてママが出かけて行った。
不思議と娘は平然としている。玄関で物音がしたので
あっちに連れてけと言ったり、外に行きたいと
言い出してもおかしくないのだが、普通にパパと
遊び続ける。


ママが出かけて行ったことを気付いていないわけでも
ないようだ。むしろ、ちゃんと分かっていながら
パパと待っているのではないかと、親ばかにも思って
しまうのだが、どうなんだろうか。


しかし、2人でお留守番も楽になったものだ。


目を離すと大変なことは変わらない。ソファーから
転げ落ちそうになるし、積み重ねた本の上に乗って
グラグラ感を楽しんでるし、パソコンの主電源切るし。


それでも、会話ができるというのは大きい。
こっちの言うことは分かるし、娘が何を言いたいかも
分かる。どうして欲しいのかが分からずに、けど
泣きやまずにてんやわんやで困る。ということがない。


もちろん、言うことを聞いてくれるかは別であり、
娘も眠くて「理不尽モード」に入り、要求が無茶に
なってきて、駄々をこねて泣いたりはする。
けれども通じてる感じはあるので、お互いに理解が
できなくてイライラしたり不安になったりとかは
無くなった。これは非常に大きい。


どうしよう。泣きやまない。奥さんはまだかなぁ。
まだ時間は先だなぁ。どっか痛いのかなぁ。お腹が
空いたのかなぁ。早く時間が経って帰ってこないかなぁ。


そんな不安さはなくなったので、あっという間に
時間が経つ。気付いたら奥さんが帰ってきた。
全然、時計とか気にしなかった自分に驚く。


痛かったら痛いと言うし、お腹が減ったらパンとか
マンマとか言うし、DVDを観たければ持ってくるし、
パソコンは勝手に電源を入れるしね。


ただ、一つ、どうも眠いのだけは認めたがらない。
奥さんが出かける前から眠いくせにずーっと我慢をして
遊び続けている。眠くて機嫌が悪くなりながらも
遊び続けている。寝ちゃえば楽なのになかなか寝ない。


そんな時に「理不尽モード」に入って大変ではあるが
やはり機嫌の悪い原因ははっきりと分かるように
なったので、楽は楽ですね。会話って素晴らしい。