お店に行っても、娘は闇雲に走ることは
しなくなってきた。助かった。ようやく
ただ走り回ることへの喜びは薄れてきた
ようである。
以前は店内を一目散に駆けていき、後を
追いかけていくのが大変だった。
娘は走り去りながら全然振り向かない、
親がついてきてなかったらどうするつもり
なんだろうと、心配するほど後ろを全く
気にせず走っていく。
店内を半周した頃に、ふと後ろを振り向く。
親が居て当然といった表情。むしろ、後ろに
居ないと、「マーマー!、パーパー!」
居ない方が悪くなってしまう。
どこに居るの! といった強い口調だ。
むしろ、居なくなったのはあなたです。
こちらが気付いていればよいが、ふとした
隙に居なくなっていたらと思うと恐かったの
だけれども、ようやく無闇に走り去ることは
なくなってきた。
ちゃんと後についてくるか、後についてきて
いることを確かめながら先を行くか、手を
引っ張っていくか。とにかく、1人で走り
去っていくことはなくなってきた感じ。
あんまり安心し過ぎてもいけないが、少しは
ひと安心だ。
娘も分かって店内のものをいろいろ見たり
するようになったから、買い物もちょっと
いままでと違う感じになってきた。