あんよ

ご飯を食べていて、ある程度お腹が満たされて、飽きてくると
遊びだす娘。それはいつものことなんだけど、気付いたら
自分の足と会話をしていた。
イスに身を沈め、足がテーブルの端から顔を出している。


「あんよー ん なにー? ごはん たべる? うん」
1人2役だ。


「はい おいしい? うん おいしい」
足の上にご飯やらおかずやらを乗せている。すでに娘の足は
ベタベタになっていた。


おいおいおい、やめなよ。
「うん?」
一瞬こちらに注意を向けたが自分に都合が悪いと判断したのか
すぐに「あんよ」との世界に戻っていった。


当然のように足に乗せていたご飯を自分の口に運んでいた。
驚き止める僕の声は聞こえないようだ。というか聞こえない
ことにしているようだ。


次は「あんよ」の前にハンバーグやら味噌汁の具なんかで
顔を描き始めた。ベタベタの足の前でテーブルまでベタベタに。


うーん、おかずで顔を描くなんて、なんて芸術的。
素晴らしい。ああ、ほんと素晴らしい。けど食べ物は
遊ぶもんじゃ・・・。