同じくらいの子

朝から会議だが、途中で抜けだし、出張に行かなくては
ならない。どうしても約束の時間が変えれなかったから。
前もって新幹線の時間を調べ、あらかじめ上司に申し入れを
しておいた。一筆も書いた。


なのに、途中で抜けると言ったら止められた。大事な話が
あるとのこと。結局、どの部分が大事だったのか未だに
分からないが、奇跡的に新幹線に間に合った。


重い荷物で走ったので頭が痛い。朝、切符を買っておいて
大正解だった。あと30秒、会社を出るのが遅れたら、
絶対に間に合わなかった。


残念ながら昼飯は抜きだ。コーヒーで我慢。走って酸欠で
頭が痛い。窓の外はいい天気。新幹線に乗って30分、
ようやく外の景色が見えてきた。


前の前の座席から、小さな女の子がひょこひょこと
こちらに笑顔を向けて頭を出したり引っ込めたり。
思わず反応して笑ってしまったもんだから、何回も顔を
出してくる。


口ずさんでいる言葉の種類から、うちの娘と同じくらい
なのかもしれない。なんとなく和む瞬間である。


僕は知らない子どもや動物に何故か好かれたりする。
笑いかけられたり、ジーッと見つめられたり。近くに
寄ってこられたり。


無防備なのか、それとも子どもや動物が好きなオーラを
発しているのか。もしかしたら同レベルの仲間に見える
のかもしれない。


前の方から「でんしゃ、でんしゃ」「がーが、どこいった」
なんて声が聞こえる。やはり、うちの娘と同じくらいかな。