バッグとケータイ


娘のちっちゃなバッグ。
ピンクのくまちゃんがぶら下がっている。
いっちょまえに曲げた腕に引っ掛けて
トコトコと歩いていく。


自分のものということが分かってか、
大人の真似をしてか、楽しそうにする。


今までもこのちっちゃなバッグで遊んで
いたが、器用になってきたのと使い方が
分かってきたのだろう。ちょっと驚いた。


バッグのファスナーは開いていたんだとは
思うが、中に物を詰め込んでいた。それも
自分のおもちゃの携帯電話をだ。


一生懸命にバッグの中に入れようとして、
ちゃんと入れれた。
まあ、奥さんのカバンから物を出したり
入れたりはするので、それだけでは驚き
はしないが、それだけではない。


バッグの中に携帯電話が入ったことを
確認すると、スクッと立ち上がり、やはり
曲げた腕に引っ掛けて、嬉しそうな顔で
ニコニコと隣の部屋まで歩いていって
しまった。本当に嬉しそうだ。


自分の物っていう意識があるんでしょうね。
隣の部屋でも満足そうに歩いたり座ったり、
けどバッグは離さずにいました。


思わず僕は自分の携帯電話を取り出して
写メールしようと娘に携帯電話を向ける。
するとポーンっと今まで大事に持っていた
バッグを放り投げて、この携帯に向かって
突進してきて、奪われてしまいました。


寂しそうな捨てられたバッグ。
しばらく、そのまま放ってありました・・・。