クリスマス・ツリー

家に帰ると娘が「さんたしゃん、さんたしゃん」と
目で訴えかけながら話してくる。また、ナイトメア・
ビフォア・クリスマスを観たいのかと思ったら何だか
様子が違う。視線がテレビやパソコンの方じゃない。
僕の頭を通り越した後ろを見ているようだ。


振り向くとクリスマス・ツリーがあった。気付かない
僕に教えてくれたらしい。僕が気付くと嬉しそうに
ツリーに駆け寄る娘。ママと一緒に出したようだ。


「いっしょ」とか言って、ナイトメア・ビフォア・
クリスマスの挿入歌を口ずさむところは見事である。


ママが部屋の電気を消して、ツリーのイルミネーションを
点灯してくれた。娘の顔が一段と輝く。


くりすます。さんたしゃん。きれーねー。ぴかぴか。
ぼーる。くりすます。きれー。すごいねー。


口走りながら落ちつかなげに歩き回っている。
かなり嬉しいようだ。部屋の電気を点けると文句を
言うくらい、イルミネーションが気に入ったらしい。


いいねー。クリスマスが近いねー。