元気におるす番

奥さんが映画の試写会に行くというんで、娘は奥さんの
実家にお邪魔している。僕も仕事が終わりしだい
向かうことに。


向かうとはいえ、奥さんの実家はわが家から歩いて5分。
最寄りの駅も変わらないので大袈裟なことではない。
娘にとっても勝手知ったる場所なので、お願いする
ほうとしても安心だ。ほんとに助かっている。


けれども、できるだけ早く仕事を片付けて向かいたい
ところだ。急いで片付けようとしてみるが、そんな
気持ちとは裏腹に仕事がはかどらない。


今日は金曜日。週末前でかなりバタバタ。原稿が
終わらない。今週中に処理しなければいけないことが
山積みだ。などと金曜日の夕方に言っているようでは
いけないのだが、そんなもんだ。


いつもより少し遅めだが、切り上げて帰っていく。
娘はどんな様子かと恐る恐る奥さんの実家にお邪魔を
すると、そこには大はしゃぎの娘。いつもの5割増し
くらいに元気だ。


親は要らないか、と思う瞬間だが、実際は物凄く
助かっている。なかなかできた娘だ。


「ぱぱー まてまてー て おいかけてきてー 」
パパを奥さんの居ない奥さんの実家で走り回らせる
ほどの元気ぶりだ。遠慮気味のパパにも容赦ない。


そんな娘も奥さんが帰ってくると少し変化が見られた。
ホッとしたのだろうか。やはりどこか我慢をしていた
みたいでもある。奥さんがちょっと手を洗いを行った
だけで、「まま は?」と泣きそうになる。


また、いなくなっちゃったの?
と言わんばかりの不安な表情。


明るく元気にしているように見えて寂しかったん
だろうねぇ。