待ってたの

奥さんの実家に娘と奥さんがお邪魔している
ということで、仕事が終わったら僕も向かう。
いつもより少し時間が遅くなってしまったので
慌てて向かって行く。


玄関を開けると娘が廊下に居て待ち構えていた
感じだ。ただいまと声を掛けると嬉しそうに
してくれる。こっちこそ嬉しい。


玄関をあがり、入っていくと娘が駆け寄ってくる。
本当に嬉しそうにしながら話しかけてくる。


「あのね みうみう まってたの ぱぱを」


ほんとー。ありがとねー。ごめんねー、少し遅く
なっちゃって。


「うん」と言ってリビングに戻っていく娘。
後について行く僕。そして真実を知る。
誰も娘が僕を待っている素振りも言動も見ては
いない。


うんうん。きっと外には見せなかっただけで
内面では。思いつきの喜ばせる言葉だったわけじゃ
ないよ。きっと。うん。
ダイジョウブダイジョウブ。