キル・ビルをミル


土曜日だというのに休日出勤、仕事で
あった。しかも朝がいつもより早い。
辛うじて奥さんと子どもの顔を見て出勤。


馴れない仕事で体力を使う仕事なので
疲れはしたのだが、今日の実働は
朝の8時から9時と夕方4時半から5時。
あとは待機。


実動は1時間半。暇すぎる。
移動時間のほうが長い。


予想はしていたのだが、予想以上に
9時から夕方4時すぎまでやることが
見当たらない。


思わず必要以上に奥さんに電話をして
しまう。大して用もないのに。


始めて恩恵を受けたのだが、
ボーダフォンのハッピータイムは安い。
1分5円。
結構しゃべっても100円もかからない。


結婚前に欲しかったサービスかも
しれない。しかし、今日は助かった。
お陰で暇さえあれば奥さんに電話を
していた。


そんな奥さんから提案があった。
キル・ビル」を観に行けるのでは
ないかと。


キル・ビル」はいま上映中の映画で
あるが、実は奥さんは上映前に試写会に
行って観ている。
しかし、一人での試写会だったのだ。


そう、かなり予想を超えた映画だった
ようで、試写会に行ってきてから、
誰かに話したくても話せずにモヤモヤと
したものがあったようなのだ。


つまり、内容を話せる相手が欲しいと
いうわけだ。
しかし、本当に暇だったので、僕にも
まんざらではない提案だ。


新聞で近くの映画館と上映時間を
調べてもらい、結局、観に行くことに
してみた。


観に行ってみて、奥さんが誰かに話し
たくてウズウズしていた気持ちが
やっと理解できた。


この映画、突っ込みどころ満載なのだ。
「ありえない」がたくさん散らばって
いる。

タランティーノ監督のB級映画的な
オタクな趣味を全部つめ込んでだ感じ。
カットできそうなところも全部残して
来年春のVol.2に続く、という感じ。


1本にまとまるのでは、という疑問は
残るが、この無駄に見える部分も残し、
しかも結構手を抜いていないのが逆に
良いのかもしれない。


「ありえない」突っ込みどころは満載
なのだが、全部狙って作ってそうで、
突っ込んでしまってはタランティーノ
の思惑どおりのような気がして悔しい。


けれども誰かに話したい気分になる。
これは一人で観る映画じゃない。
当然、観終わったら奥さんにすかさず
電話をしてみるのであった。