どまつり


にっぽんど真ん中祭りというものをご存知で
あろうか。略して「どまつり」とも言うらしいが
この祭りが今年からわが家の近くでもやるらしく、
その日が今日なのだ。マイクチェックの声が
静かな日曜日の朝に響き渡る。


この「どまつり」を簡単に紹介すれば、大都市の
はずだが取り立てて見るものも娯楽も少ない都市、
名古屋において、盛り上げようと奇特な学生が
立ち上げた祭りである。今年で6回目だそうな。


きっと全国では知らない人がほとんどだろうが、
地元ではメディアがわざとらしく取り上げるので
刷り込み効果で名前だけは知られている。
残念ながら一部の当事者の盛り上がりのほうが
周囲の人間より勝っている気はするが、祭りなんて
どこもそんなものかもしれない。


チームで参加して、踊りを競い合うようではあるが
実際、どんな基準で審査されているのかはしらない。


さて、台風のニュースも気になりながらも朝から
準備の音が聞こえるとなると、歩いて行ける距離
なので微妙に気になる。天気は降ったり止んだり、
気は重いが、行ってみる。


真夏の盛りは避けていたが、散歩コースの公園、
今日で1歳8ヶ月になる娘は、雨が降ってきて
強制的に抱っこをされるまで2人の親と手を繋ぎ、
トコトコと歩く。


正直、天気も怪しいので、さっさと様子だけ見て
帰りたいところだが、娘は歩きたくて仕方がない。
途中で枝を拾って地面にお絵描きしたりマイペース。
久々の公園への散歩で嬉しいのか。けど、眠そうで
足取りは一段と遅い。


天気が微妙なので、いまいち盛り上がっているのか
どうだか分からないが、たくさん並んだ出店で
五平餅とみたらしを買うが、食べる場所もなく、
雨もまた降ってきたので帰ろうとする。


ところが、こんな微妙な雰囲気のお祭りでも娘は
好きなようだ。音楽が鳴り、踊っている人がいると
じっと見てリズムを取っている。眠くなかったら
もっとはしゃいでいただろう。


しかし、こんなもんかと思って帰ったが、公式の
ホームページに動員数が載っていた。うちの近くの
会場も載っている。


28,000人。
そんなに居たのだろうか、あんな小さな地元の公園に。
僕たちもカウントされたのだろうか。カウントされた
憶えはまったくない。一度帰りかけて、娘が名残惜しい
様子だったので、また戻ったが、6人になっているの
だろうか。どうやって数えていたのか。


なんとなく大きな謎を残したが確かめる術はない。
その10分の1と言われても納得できるのだが、本当に
28,000人も居たのだろうか。また来年もあるのだろうか。


なんでも、観客も参加して全員が踊ることで「観客動員数
ゼロ」を目指しているらしいが、少なくてもわが家は
来年も参加はしない。3人は観客がいますね。見に行けば。