からい、おいしい


娘のしゃべる言葉がだんだんと達者になってくる。
驚きと、喜びと、笑いと、戸惑いが入り交じる。
かなわんなー。苦笑いがこぼれてしまう。
言葉で言い負かされる日も近いのではないだろうか。


「からい よー」まゆげをへの字にして教えてくれる。
先日から食卓にあるキムチである。あまりにも欲しがる
ので水で洗ってからあげてみたが、それでも辛かった
ようで吐き出す。というのを何回か繰り返したら
さすがに欲しがらなくなった。


でも、かなり気にはなっているようだ。それでも
食べる大人が気になるのか。


食べるのを見て、への字まゆげで「からい よー」
少し目を輝かせて「おいしい?」


おいしいかと聞かれるとこちらも困ってしまう。
おいしいと答えて食べると言われても困るし。
からいと答えても不思議そうな顔で見られるし。
おいしいけど辛いよとしか答えられないのだが。


その大人の矛盾な答えが気になるのか。食べているのを
じっと見ている。食べにくい。しばらく食べずにいたら
「ばぱ これ たべる」「ぱぱ」「からい? おいしい?」
食べるように命令されて質問攻撃だ。


からいけど、おいしいよ。