マタニティー・ブルー


病院の面会時間は8時まで。
午前中はみうちゃんが沐浴や検査で
忙しいようなので、昼過ぎからやって
きて、可能な限り入り浸っている。


しかし、時間はアッという間に過ぎて
いく。どれだけ見ていても飽きない。
ちょっとした仕種や表情に一喜一憂。


面会時間の終わりが近付くにつれ、
奥さんの表情は曇ってくる。
夜になると、みうちゃんが寝かせて
くれないのと、寂しさ、心細さで、
悲しくなってくるらしい。


無性に悲しくなって涙をこぼす事も
ある。
育児への不安と自信を持てないのと、
いろいろなネガティブな要素が入り
交じるようだ。


しかし、育児疲れもあるのだろうが、
この時期にブルーになるのは普通だ。
マタニティー・ブルーというやつで、
出産の際に女性ホルモンを多く含んだ
胎盤が子どもと一緒に出てしまうので、
ホルモンバランスが崩れてしまうのだ。


原因はともかく夜は僕も目が届かない。
頑張って乗り越えてもらうしかないが、
入院生活も明日で終わり。
明日の昼には退院だ。
思ったより早かった1週間だった。


明日からは1カ月程、奥さんは実家に
行くことになっている。
僕が本格的に面倒を見れるのは、まだ
先だ。少し寂しい感じだ。


とはいえ、奥さんの実家は歩いて5分
の距離。毎日仕事帰りに押し掛ける
ことも出来る。
こんなとき、奥さんの実家が近いのは
本当に助かる。昼間は安心だし。


明晩からナースコールがないのは心配
だが、奥さんが精神的に休むことが
出来るといいのだが。